このミサ曲は、プッチーニが故郷ルッカの音楽学校の卒業作品だったといわれています。だから、実際そこで初演されて、けっこう好評だったらしい。美しいばかりではなく、若い才能が産み出した斬新なアイデアは、人の心をとらえるのに十分だったのでしょう。
「Sanctus e Benedictus」。Benedictus への橋渡しとなる「Hosannna inexcelsis, Hosanna.」はとてもきれい。そしてバリトンソロの登場。ここまでずっと待ちなのでちょっと気の毒な気がしますが、歌いだされる Benedictus は優しく美しい。バリトン特有のやわらかな響きにピッタリの旋律だなー。聴きのがせないのは、ホルンの対旋律。ホルン独特の少し哀しげな音色がたまりませんねー。
続いて「Agnus Dei」。Benedictus と同じ三拍子で速度の指定も同じ。演奏するほうとしてはやや悩みます。終曲としての存在感もちゃんとしたいし。少し工夫してみたいと思っていますが・・・。これは、テノールとバリトンの二重唱。とてもシンプルな旋律ですが、それだけにいっそう心を打ちます。これも二重唱と並列しているといってよいホルンのオブリガートが素敵です。
最後に合唱が静かに Dona Pacem. と歌い、木管の短い後奏がふーっとため息のように奏でられてこのミサ曲は終わります。
総じてとても華麗なミサですが、終わりはやはり静かな祈りで締めくくられるのですねー。
結局、なにかとインタレスティングな名曲ですよ、このミサ曲は。 《完》

