2008年02月29日

歓喜の歌

ある町の文化会館の事務室は、町の職員のふきだまりと陰口をたたかれるさえない職場。そこの主任、飯塚(小林薫)はなにごとにも適当、周囲に調子よく合わせることで日を過ごすダメ男。年の瀬、いつものように何事も無くその年を終わろうとしていたとき、思いもかけない大事件が発生する。大晦日に演奏会を企画していた町のふたつのママさんコーラスのグループが同じ時間にホールを予約していたのを、うっかりダブルブッキングしてしまっていたのだ。しかもそれが判明したのが前日の30日。「公演時間をずらせば・・・」「ゆずったほうのグループは料金をタダに・・・・」。安易にノラリクラリとかわすことだけを考えていた飯塚だったが、事は彼が考えるほど簡単ではなかった・・・・・・・

やっと観たよ、「歓喜の歌」。合唱人としては一応おさえとかなきゃ、と思って観たのでしたが・・・・・

いや、なかなか良い映画でした。ツッコミどころは山ほどあります。「そんなことはあり得ません!」と言い切れるところもいっぱいある。でもね、そんなことを言い出したらそもそも成り立たない話なわけだから、あんまりゴチャゴチャ言わないで、心温まるストーリー運びと、人間の可笑しさを楽しめればそれで良いんです、こういうものは。
実際、合唱人の変なところや公立のホールの事務室の風景はけっこうリアルだったし、一生懸命「人間」を描き出そうという試みはある程度成功していた。ちりばめられたエピソードもよく考えられていて、つながりぐあいも悪くなかったと思う。ただ、それぞれのエピソードのオチが甘いからちょっとご都合主義的なところが出てしまったのが残念。
だけど、日本的な人情話とハリウッド風喜劇がうまくミックスされた感じは好きだったな。なかなか無いよねー、こういう雰囲気の映画。日本映画のひとつの道筋を示す映画だった、といえるかも知れません。
この映画のもとは、立川志の輔の創作落語。さすが志の輔師匠、目の付け所が鋭い!

一方の合唱団の指揮者役の安田成美、少々年取ったけど相変わらず可愛いねー。チョッキリ切った前髪が素敵でした。指揮も妙にとってつけたような振りかたじゃなく、すごく自然で上手かったと思うよ。

★★★★☆ あと少し詰めのシャープさがあれば極上になったと思う
posted by りょうじー at 00:04| 青森 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | 完全個人的映画評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月26日

デス・コレクターズ

毎度、毎度の海外ミステリー小説です。

その殺人事件は30年前に起きたものと状況が酷似している。しかし、30年前世間を震撼させた凶悪殺人犯は、死刑を宣告された直後の法廷で射殺されて、もうこの世にはいない。30年という時を超えてつながっていたものはなにか?・・・・・

どっかで聞いたことがあるような滑り出し、こういう設定自体はそんなに独創的なものじゃない。それをどう処理するか、ってことだよなー、と思って読んでいると、「なんだ、そういうことなの?」と、ちょっと拍子ぬけになる。それもずいぶん前段で分かっちゃうわけ。ところがね、それが作者の巧妙な仕掛けなんだな、これが。
そこから次々と隠されていたものが明るみに出されるにつれて、謎は複雑に絡み合ってくる。断片が1ヵ所合ったかと思えば、さらに矛盾が現れ、ゴチャゴチャになって「もう読むのやーめた!」という気分になるころ、衝撃の真実がドーンとつきつけられるのだ。
私もちょっと油断していたところに、いきなりガンと一発食らったもんで、けっこうのけぞりましたよ。
登場人物がけっこう多い上に、なんとなく憶えにくい名前ばかりなので、なかなか頭に入らないのが難点だが、エピローグ前35ページのサスペンスは圧巻、一気にやられちゃいます。

ケーブルテレビ:ミステリチャンネル「闘うベストテン2007(海外)」第1位

ジャック・カーリイ著 文春文庫 771円+税
posted by りょうじー at 22:09| 青森 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月25日

第80回アカデミー賞

オスカー、決まったようですな。
ノミネートは日本未公開作品が多かったので比較ができない。(まともに観ているのは長編アニメ賞の「レミーのおいしいレストラン」とジョニー・デップ主演男優賞ノミネートの「スウィーニー・トッド」ぐらい)あんまりリサーチしちゃうと、これから観たときにつまんなくなってしまうということもあるしなー。
コーエン兄弟の「ノーカントリー」が監督賞と作品賞を獲得、事実上グランプリってことでしょうが、どうなんだろうねー?おもしろそうな映画ではありますな。チラチラと断片を観た感じでは、これもやっぱりバイオレンス風味なのが気になるけど、力のある作品のような気がする。公開されたら拝見しましょう。
だけど、この「ノーカントリー」という日本での公開名はいかがなもんでしょう?原題は「No Country for Old Men」で、それもとってもシュールな感じだけど、「ノーカントリー」とは・・・・意味分からん。シュール過ぎだよ。下手に訳すよりは、ってことなのかも知れないけど、面倒がらずにちゃんと考えれば、適切な邦題が思いつきそうなもんじゃありませんか。
posted by りょうじー at 22:36| 青森 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月24日

晴れのちドカ雪

このところ気温の高い日もあって、「三寒四温」の感じがあります。
春の到来もそう遠くはないかな、なんて思っていたら、またまたひと晩でドカ雪。朝の雪かきはたっぷり2時間かかりました。

この冬は、突然ドカ雪→晴れて融ける→またドカ雪・・・・というパターンですね。例年はこんなに晴れ・雪の落差が激しくないと思うんだけど・・・・・・これも温暖化の影響ですかな?

いわゆる豪雪年の、10日間ぐらいぶっ続けで降り止まない、というよりは、ずっと過ごしやすい冬ではあります。
posted by りょうじー at 21:21| 青森 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月23日

弦のみなさんと

今日は、プッチーニのグロリアミサでご一緒する弦楽器のみなさんとの練習。久しぶりに楽器のかたがたと一緒にやりました。
スコアに目が(頭が?)ついていかない。だめなもんですなー。ちょっと前から合唱の定例練習でもスコアを使うようにして慣れるようにしていたつもりだったんだが、どうしても合唱の部分を抜き出して見てしまっている。今回使用しているカルス版はとてもきれいな譜面ですごく見やすいんだけど、バーッと全体を見て瞬時にジャッジメントを出すための頭の回転が追いつかないんだねー。思ったように棒が動かなくて、「ん?」という瞬間も何カ所かあったし・・・・年はとりたくないもんだよ、全く。

年のせいにしちゃいけませんね。
気合を入れて勉強しよう(決意)ちっ(怒った顔)
posted by りょうじー at 21:47| 青森 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 練習雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月22日

ライラが来る

明日・明後日は「ライラの冒険 黄金の羅針盤」の先行上映があるそうですな。この映画おもしろそう!
ファンタジーは「ロードオブザリング」のあと、似たようなやつが雨後のたけのこのようにバカバカ公開されましたが、なんとなく「ロードオブ・・・」を超えるものは無いような気がして1本も観てない。なかにはちゃんと作られたおもしろい作品もあったんでしょうが・・・・。
昨年秋ごろから映画を観にいくたびに、この「ライラ・・・」の予告編が流れていて、いい加減洗脳された部分もあるのかも知れないけど、なんといっても「ロードオブ・・・」を作ったニューラインシネマの作品であること、ちょうど大人とこどもの中間の不思議な魅力を感じさせる主役の女の子、さらにニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ、エヴァ・グリーン、サム・エリオットなど豪華配役、我々の世界にそっくりのパラレルワールドから漂う魅力的な世界観・・・・・うー、よだれが出ますぜ。

予告編で「よろいぐま」(ライラを守るやつらしい)が壁をつきやぶって登場するシーン、「おまえも戦うのか?」と聞かれて、吹き替え版では「ああ、おれもつきあうぜ」、字幕版では「ああ、この子とは約束がある!」。
やっぱり、字幕が良いねー。

もちろん、あたしゃメンズデーの1,000円で観ようと思っとります。
posted by りょうじー at 16:41| 青森 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月20日

手ごたえ

2008年、まだふた月足らずだが、例年よりもギュッといろんなものが詰まった時間を過ごしている気がする。
まず先月末の弘前大の定演がまずまずの成功だったし、今月の弘前音楽祭の「第九」に係わったことでもとても充実した時間でした。いつもながらアッという間にそれらは過ぎ去って、なんだかすごく前にあったことのような気もするけど、なんだかここ数年では最も濃密だった感じが今もしている。なんとなく感じるエネルギーの波のような感覚、手ごたえがあります。このまんま今年一年いきたいねー。

次は5月4日の青森ベートーヴェン・スコラーズ第6回公演「プッチーニ:グロリア・ミサ」。ついこの間まで「本番まで遠いなー」みたいに思っていたのが、あと残り2ヶ月ちょい。俄然焦ってくる。定期練習の数は指折数えれば両手で終わりだし、来月の上旬にはオーケストラとの合同練習の第1回が来てしまう。いきあたりばったりじゃない、きちんとした練習計画でいかないといけませんな。

でも、こういう、いろんなことが詰まっていくバタバタした感じもまた良いんだなー。程よく焦りながらも落ち着いて、手ごたえを感じ、感じさせる本番までのプロセスを楽しみたいと思っています。
posted by りょうじー at 23:34| 青森 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月19日

アメリカン・ギャングスター

1968年、ニューヨークのハーレムを仕切るボス、バーピーが心臓発作で突然世を去ったあと、片腕のフランク(デンゼル・ワシントン)は優れたアイデアと冷徹非情なやり方で次々とライバルを排除、泥沼と化したベトナム戦争のアメリカ軍の退廃を利用して良質の麻薬を東南アジアから入手したフランクは、麻薬売買を通して次第にニューヨーク裏社会での勢力を拡大していた。
一方、ニュージャージーの警官リッチー(ラッセル・クロウ)は、自らの離婚・こどもの養育権で裁判を争いながらも、司法試験のための勉強にも精を出している変わり者。張り込み捜査で発見したギャングの資金100万ドルを、正直に署に持ち帰り申告したことで警官仲間から白眼視さてしまう。当時の警察社会のなかでは、証拠品の横流しや隠匿、裏社会からの収賄は暗黙の常識だったのだ。
その一本気を買われ、麻薬捜査班のリーダーを命じられたリッチーは、麻薬組織の壊滅と警察内部の腐敗の根絶をめざす。マフィアにさえ一目置かれるようになったフランクとの距離は次第に縮まっていく・・・・・・・


「アメリカン・ギャングスター」・・・カタカナで書かれちゃうと、なんだか軽いイメージだよねー。単なるハリウッド版ヤクザ抗争映画、と早とちりしたむきもあるかも知れないが、実はそんなフワフワしたもんじゃありません。2時間40分、長くて重い映画でした。
監督がリドリー・スコット、デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウのふたりの名優の丁々発止の熱演をみごとにひき出して見せた。たいしたものです。
ラッセル・クロウ、基本的にダメ男のくせに一本すじが通っているという、なんとも屈折した役をみごとに演じていました。スッキリ・パッチリのカッコ良さげなヒーロー役よりも、絶対こっちの役どころが似合ってると思うよ、ラッセル・クロウは。
デンゼル・ワシントンの存在感もいつになくググッとこっちに迫ってくる。素晴らしい演技でした。このふたりの渾身の演技を観るだけでも十分価値がある映画だと思います。
ただ、こういう映画でいつも感じることだけど、暴力肯定のにおいがするのがちょっとなー・・・・それが普通なんだよ、という感じがどうしても好きになれんな。

★★★★☆ 映画としては面白い。だけど暴力反対!
posted by りょうじー at 22:52| 青森 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 完全個人的映画評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月18日

今冬一番!

昨日の夜から朝にかけてけっこうドカッと雪が降りました。ひと晩で30センチぐらい降ったと思う。雪片付けの時間もかかりました。
日中は一転して好い天気になって温度も上昇したので、降った分融けちゃったかも知れませんが、青森市の積雪は一時80センチを超えたらしい。

80センチの積雪というのはこっちでは驚くにあたりませんが、よく全国ニュースで「青森市酸ヶ湯で積雪が3メートルを超え・・・・・」というのが流れることがあります。青森の冬をよくご存知ない方は「青森市って、ドンダケ〜〜」と思われているかも知れない。
確かに酸ヶ湯は住所は青森市だけど、八甲田山の中腹にある温泉地ですからね。積雪ということをいったら市街地とは比べものになりません。
もしかして「ドンダケ〜」と思わせようとして、わざとそうしてるのかな?それで効果的なこともあるだろうけど、逆効果のときもあるんじゃないのかな。「冬は青森に旅行にいくのはやめとこう」みたいな・・・・・

ちなみに酸ヶ湯温泉の現在の390センチを超えて4メートルに迫っています。
posted by りょうじー at 21:30| 青森 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月16日

指揮法講座

弘前音楽祭の企画のひとつに指揮法の講座がありました。
七人の受講生が、前もって何単位かのレッスンを受け、最後はモデルバンドを実際に指揮して実践的な指導を受けるというもの。今回の指揮者、新通先生が講師で、いわゆる斎藤秀雄メソッドでのセミナーでした。
小澤征爾の師でもある斎藤秀雄、彼が編み出した指揮法はいわば指揮学というべきもので、単なる指揮の図形にとどまらず、指揮者が指揮棒を通して楽員に的確に伝えるために分析・分類された指揮法体系。
私も若い頃、その基本をプロの指揮者から教わったことがあって(けっこう丹念に厳しく仕込まれた)その経験がなかったら、今の自分は無かったと思っているんだけど、今回の講座を拝見して改めて思ったのは、やっぱり基本が大事だなー、ということ。もしかしたら近頃「たたき」が甘くなっちゃってるかもな。(「たたき」とは鰹でも鯵でもありません。指揮の基本中の基本。棒をまっすぐ振り下ろして打点を打つ動作のこと。これがけっこう難しい)

この指揮法講座では、吹奏楽の方を主なターゲットにしていて、モデルバンドもブラスでしたが、プレイヤーの方もとても勉強になったと思うよ。指揮の受け取り方が、より明確に自分のものになったんじゃないかと思う。
こういうプロの指揮者による指揮法の授業はとっても有益ですな。

合唱畑でもやらなくちゃいかんのじゃないですかね?!
posted by りょうじー at 20:40| 青森 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月14日

市川崑監督の訃報

映画監督の市川崑氏が亡くなられた。
市川崑監督の映画は、必ずしも完璧な作品ばかりだったわけではないと思うが、どこか一途な感じが伝わってくる映画ばかりだったと思う。一部しか観てないけど・・・・

「ビルマの竪琴」 これを映像化して我々に観せてくれた功績は大きいと思うな。ダイレクトな悲惨さをこれみよがしに見せ付けられるわけじゃないから、かえって戦争の愚かさが心にしみいる。本を読むだけでも感動的な話だけど、こういうものってビジュアルで観たほうが絶対インパクトがあると思う。
各世代が折に触れて繰り返し観るべき1本だと思います。

「犬神家の一族」(76年版) これは凄い1本なんじゃないかな。円熟したテクニックで完成度が高い。下品なホラーにおちいらず、あくまでもノーブルで均整のとれた作品ながら、横溝正史の猟奇的世界がつぶさに表現されていた。2006年に同じ主演(石坂浩二の金田一耕助)でリメイクしたのも、これをつくったときの興奮が醒めなかったからだと思うよ。これを超えるエンターテインメント映画は、日本ではこのあと何本も無いと思います。

ご冥福をお祈り申し上げます。
posted by りょうじー at 14:02| 青森 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月13日

「弘前音楽祭」クライマックス・コンサート(後編)

いよいよコンサート当日。やっぱり観光客に混じって午後のリハーサルのために会場入り。

別館会議室でのウォーミング・アップを聴いていると、もうすでにテンションが相当高くなって張り切っている様子がうかがえる。あまり入れ込み過ぎて本番へばらないといいんだが。
そのへんも含めて、最終チェックを1時間ばかり。これで私の仕事は一応終了。肩の荷ををおろしたいところだが、あとは自分でどうにもできないもどかしさも残る複雑な気持ち。

そして最終ステージ・リハーサル。
実はちょっと仕掛けがある。2月10日はソプラノの大西先生の誕生日なので、本人には秘密でバリトンの与那城先生が「オー、フロインデ・・・」のところで「ハッピー・バースデー」と歌いだすのをきっかけに出演者みんなでお祝いの演奏をしようというのだ。
急遽オケ譜も準備され、全員なにくわぬ顔で4楽章のアタマから。「ハッピー・バースデー」がはじまって最初はあっけにとられていた大西先生だったが、ついには号泣。
ほんとにビックリされたみたい。いやー、大成功だったねー。

さらにリハは続く。音的にはまだ不満が残るものの、合唱とオーケストラとの一体感が昨日のゲネプロとは格段に違っている。なんとかこの感じを本番へ持っていき、そのままアップして欲しいと祈るばかり。

今回は会場で演奏を聴くことはかなわないな、と諦めていたが、なんと来賓者席に席を用意してくださっていた。合唱の前準備も気がかりだったが、ありがたく一等席で聴かせていただくことに。
開演前の満席のホールは、期待の心であふれすでに異様な雰囲気だ。

この音楽祭のために書きおろされた和田薫先生作曲の「交響的序曲“祝祭の時”」がはじまる。華やかで色彩的な音。まさにこのコンサートの「序曲」にふさわしい晴れやかな音楽。魅了された聴衆に追い討ちをかけるように流れ出てくる、憂いを含んだ「ねぷた流し」で会場の空気はググッとひとかたまりになるのが分かる。なんて凄い音楽なんだ。和田先生、脱帽です!

休憩後、いよいよ弘前で初めて「第九」が鳴り響くときがきた。聴衆のワクワク感は最高潮。第1楽章の混沌から主題が徐々に姿を現し、怒涛のように鳴り渡るまでの短い時間で、一気にある世界がホール内に構築されるのをまざまざと見る。「一体感」という言葉を超える、もっとすごいものがそこに出現しているのだ。


・・・・・そして、


会場全体が白熱した火の玉と化した最終楽章のコーダまで、もう時間の概念は無い。確かに時計を見れば時は経っている。しかし、それは一瞬の夢であると同時に、無窮の夢でもあった。
その演奏の出来はどうだったか?・・・・そんなことはここに書いてもしかたのないこと。そんなことはもうどうでもいい。
なにものにも替え難いものが確かにそこに存在したのに、その瞬間に消えていってしまった。
「音楽」の凄さを改めて思い知った一夜でありました。

名残りの打ち上げパーティーでは、それこそいろいろな方とたくさんお話ができて楽しかったけど、ここで「解散」の声がかかっていったんみんなそれぞれの居場所に帰るにしても、必ずまた結集するにちがいない、ときっとそこにいた誰もが信じた夜でした。

誰がつけたか知らないが「クライマックス・コンサート」・・・・・・・・・
あまりにピッタンコのネーミングでないかい!
posted by りょうじー at 17:27| 青森 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 本番流汗記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月12日

「弘前音楽祭」クライマックス・コンサート(前編)

弘前市民会館大ホールは、外界と完全に隔てられた小宇宙となりました。
時の流れはものすごい速さでありながら、しかし停まっていた。
それは矛盾でもなんでもなく、人間が考えうる物差しでは測ることのできない非日常の異空間・・・・・・音楽はときにそれを私たちに見せ感じさせてくれますが、クライマックス・コンサートはまさにその坩堝となりました。


一日前・・・・・

夜がゲネプロでしたが、午後に街角ミニコンサートが市内随所で開催されていて、もちろん全部は聴けないので、「長内由起子と弘響チェロパートのコラボ」を聴きにまちなかステーションへ。弘前オペラの長内さん(ソプラノ)は気のおけない古くからの友人で合唱仲間ということもあるけど、ヴィラ・ローボスの「ブラジル風バッハ」が演奏されるということで、めったに聴けるもんじゃないからねー。
素敵でした。良い曲だなー。9人のチェリストの息のあった演奏に哀愁に満ちたソプラノが間を縫うように流れる。ちゃんとした音楽ホールでもう一度聴きたいもんですなー。

そのあと100円バスに乗って市民会館へ。
会館のある弘前公園はちょうど「弘前雪燈籠まつり」のまっ最中、バスは混んでいて時折中国語が聞こえてくる。観光客といっしょに追手門をくぐりホールへ。
合唱席の段組が出来上がっていて、急ごしらえの簡易なものだがけっこうしっかりしている。心配したほどがたつきも無くやれやれ。

ゲネプロ前にはこのコンサートの指揮者である新通先生による指揮法講座があり、その舞台上には弘前市吹奏楽団のかたがたがモデルバンドとして集まっている。
七人の受講生が次々と指揮の指導を受けられているのを客席で拝見しましたが、「たたき」「しゃくい」「平均運動」などを勉強した若き日々を思い出してなんだか感無量。

そうこうしているうちに合唱団が集まり、発声をひととおりやったあとロビーに整列。上手・下手に別れて舞台登壇をやってみる。180名近い大所帯、すごく時間がかかるかな、と思いきやそうでもない。これぐらいなら熱が冷めることもないだろう。
ソリストをお迎えして、いよいよゲネプロ。

客席のいろいろなところで聴いてみる。さすがにソリストの先生方は若々しい(実際若い先生方)はりのある声でとてもよく通ってくるが、合唱の音の飛び・伸びがいま一歩足りない。なにせ初体験なのでとまどっていることもあると思うが、そこいらへんを割り引いてもちょっとなー。やっぱり反響板というのはたいしたやつだなー。でもそんなこと言っていてもしょうがない。力まずに、響き第一に。目標を指揮台にとどまらせることなく、客席奥を目指して。スタミナ切れのないペース配分を・・・・・・おお、この期に及んで言わなきゃいけないことが山ほどあるぞ。

4楽章ゲネプロ終了後、再び全員をロビーに集めてちょっとイエローカードを出しておく。これから30分でも追加練習するという手もあるが、それはむしろモチベーションを下げるだろう。
ということで、翌日の直前ステリハは集合時間を30分繰り上げ、1時間きっちりと最後の合唱練習をすることに。

チケットは完売したそうだ。天気の崩れもなさそう。
ググッとテンション上げたいねー。

(後編へつづく)
posted by りょうじー at 21:47| 青森 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 本番流汗記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月11日

「歓喜」のフィナーレ

終わりました!弘前音楽祭。
「第九」はまさに「歓喜」の爆発でした。

詳細はあとでご報告しますが、今回一緒にがんばった合唱のみなさんとオーケストラ諸氏、マエストロ新通、私の至らない点を親身に補ってくださった弘前オペラの方々、私のわがままを嫌な顔ひとつ見せず支え続けてくれた弘響インスペクターの佐藤さん、ほんとうにありがとうございました。
また、このクライマックスコンサートを楽しみにお出でいただき、ステージと一体となって至福の時間をつくり上げていただいた聴衆のみなさまにも心から感謝いたします。

正真正銘の大団円。
しかし、それは「終わった」のではなく、もっと大きく、もっと素敵ななにかの「はじまり」を強く感じました。なによりも素晴らしく、うれしいことです。

今回一緒にやった全ての方たちと握手です。
ありがとうございましたーー。


{本番の日は特になんにもするわけじゃないのに、どうしてこんなにクタクタになるんだろうなー。)
posted by りょうじー at 16:35| 青森 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月08日

クライマックスへ

弘前音楽祭が今日から始まっています。
「第九」のソリストと弘前オペラの歌手たちとのジョイントリサイタルが今日の催し。残念ながらうかがえませんでしたが、うまくいったでしょうか。
明日は地元の演奏家たちの街角コンサートが、市内各所で同時多発的に行われ、夜は10日のクライマックス・コンサートのための総練習です。委嘱作品、和田薫氏作曲の「交響的序曲“祝祭のとき”〜オーケストラのための〜」とベートーヴェン「第九交響曲」。
いよいよ、弘前市ではじめての「第九」が鳴ります。
ワクワクするなー。
予報によると明日・あさってはまずまずのお天気らしい。明日は関東・東京方面など太平洋側で雪が降るらしいが・・・・(あっちのほうで雪が降ると聞くと心の底で「やった!」みたいな気持ちが起こるのは私だけ?・・・・あ、怪我される方もおられるのに不謹慎でしたね。ごめんなさい)
コア・マイスター(合唱指揮者)としてはもちろん合唱のできが心配なわけですが、気がかりなことがもうひとつ。
弘前市民会館のステージは、オーケストラ・合唱合わせて300人近いプレイヤーが乗るには小さいので、今回は反響板なしの体育館状態での演奏になる。段組が明日のゲネプロじゃないとできないので、まだ本番のセッティングでリハーサルしていない。明日確認することになるのですが、そこはちょっと不安ですねー。
まぁ、しかし、これは今クヨクヨしてもどうしようもないこと。その環境のなかで響きが散らばらない合唱をするしかないわけです。
意外にちゃんと響きそうな気もするんだがなぁ。
posted by りょうじー at 22:28| 青森 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月05日

TVでアンコン

先日の県声楽アンサンブルコンテストが青森ケーブルテレビで放送されています。(今月何回か放映されるみたい)
当日聴けなかったのでその模様が見られるのはありがたいが、音はセンターマイク1本で録っているらしく最悪。演奏についてはなんにも感想を言えませんなー、今回は。演奏している雰囲気プラス県連のホームページに掲載されている審査順位表(この先生はこういう順位をつけているんだ、みたいな)、それに過去の演奏の記憶との比較を混ぜて想像するしかない。

今日は高校と一般の部を拝聴(見?)しましたが、どちらも上位のグループは接戦だった(順位の見た目より)に違いありません。ほんの少しのところで大きく順位が入れ替わった可能性が大きいし、たとえ今回の結果とちがったものが出たとしても全然驚きませんよ、私は。どこもみんな一長一短、人によってその長短の割合をどう見るかは違いますからねー。

声楽アンサンブルでは初の全国大会に駒をすすめたみなさんはさらに精進していただいて、青森県の合唱ここに在り!とその名をとどろかせて欲しい。がんばってください!

posted by りょうじー at 22:52| 青森 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 演奏拝聴記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月03日

あと1週間

昨日・今日と弘前第九の練習へ。本番までちょうど一週間。
合唱もだんだんテンションがあがってきて良い感じになってきました。あと少し、「夢中で」「勢いで」歌うところから「注意深く」「神経をゆきとどかせて」歌うことで生まれる一体感が出れば相当いい線いくと思う。

今日はオーケストラがステージ、合唱が客席、つまり向かい合っての合わせ練習。私はどこにいたかというと、指揮台のすぐ横に座って聴きました。マエストロからそこで聴くように言われたのですが、おもしろい体験でした。
何度も繰り返してお話してはいることなのですが、いざオーケストラとの合わせになるといろいろなポイントがすっとんでしまって、ただドドドッと歌ってしまいがち。人の声の持つインパクトはそこには表れてこないのだなー。むしろ音楽的にマイナスになってしまう。
さいわい私が見させていただく練習があと1回あるので、ほんとうに直前だけどそこのところを重点的にやりたいと思っています。
posted by りょうじー at 23:47| 青森 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 練習雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月01日

ふぇぶらり

2月だ!
今日も昨日も雪の空。

でも雪国の我々にとってみれば1月という1ヶ月が過ぎたことは重要です。これから雪も寒さもまだまだ続くけれど、あとひと月の辛抱、という気持ちになるから。
異常気象の地球、2月が暖かくなっていくのか、それともさらに厳しい寒波が襲ってくるのか予測し難い。
それでも晩秋の日の短さが嘘のように、日に日に太陽が空にいる時間が長くなってきているのが分かるきょうこの頃。

春の来ない冬はありません。
posted by りょうじー at 22:03| 青森 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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