昨夜は
弘前オペラ第37回定期公演、演目は
モーツァルトの傑作オペラ「コジ・ファン・トゥッテ(女はみんなこうしたもの)」。
37回、まずこれがすごい!市民オペラとしてすっかり定着していて、年に1回の公演をみんな楽しみにしているのです。開場前には良い席を確保するために長い列ができる。今回もなにか設備に不具合があったようで開場時間が10分押してしまったものだから、まさに長蛇の列でした。
大きなスポンサーなしでのオペラ上演は、経済的にも体力的にもきっとすごく大変なことだと察しますが、市民の期待の熱さがやり遂げさせているのでしょうね。(私も特別会員に加わらせていただいて微力ながら応援しています)
モーツァルト・オペラは弘前オペラの
十八番といっても良いと思います。これまで上演された「
フィガロの結婚」「魔笛」「ドン・
ジョヴァンニ」はいずれも大好評。これでモーツァルト4大オペラ制覇ということになります。(5大オペラとなれば「
後宮からの逃走」が残っていますが)
晩年の作品ですからモーツァルトの
エッセンスがいっぱい。どこを切ってもモーツァルト、みたいなところが楽しいですねー。他のオペラのようにポピュラーなアリアはないけれど、登場人物のそれぞれの思惑を表す重唱の楽しさはピカイチ。6人のキャストのきちんと役割を心得た歌唱も好演で舞台にひきこまれました。いつもながらピットからあふれ出る弘前オペラ管弦楽団の演奏もまたお見事。さすがベテランぞろいです。
ただ、このオペラ、人間の心の移ろい、弱さを描いているとはいえ、筋立てとしてちょっと人の心をもてあそび過ぎているきらいがあるので、ことに私たち日本人にはちょっと素直に受け取れないところがある。だから熱演が少し空回りしてしまうところがどうしてもでてきてしまうのだなー。日本語訳上演もそういうわけで少し逆効果になった面があるような気がします。そういう意味ではちょっと難しいオペラなんだな、と改めて思いました。
もちろん、キャストはそれぞれ個性を殺さず、しかししっかりしたチームワークを見せてくれました。
ブラボー!
中心となる男女二組の
カップルはほとんど出ずっぱりでしかも衣裳の早替わりも交えながらですから、これまでの稽古も含めて考えればおそらく限界ギリギリの本番だったにちがいありませんが、全二幕、りっぱに歌いきられたことに拍手を送りたいと思います。さらに狂言回しのアルフォンソ役の須郷さんのベテランの味が、ともするとドタバタしがちの芝居をきりりとひきしめていたのが印象的でしたし、デ
スピーナ役の長内さんの、初演でありながらすでにはまり役といってもよい小悪魔演技と歌唱が素敵でした。
もちろんあらゆる面で本場ものとは比較になりません。比較するのはむしろ愚かというもの。
もしかしたら弘前オペラのこの雰囲気、この感じ(ことばでは表現できない)こそが、歌劇の持つ本来の世界なのでは、と思ったりするのです。
posted by りょうじー at 11:24| 青森

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演奏拝聴記
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